失恋してしまった時のメール

失恋した後に、それまでのメールを読み返すことはありませんか?
幸せだったころを懐かしむように…なぜ終わってしまったのかと嘆くように。
携帯電話やパソコンの画面に表示されるメールは、自分で削除するかデータが壊れない限りずっとそこに居続け、ずっと変わらない姿をあなたに見せるでしょう。

そこにあるのは、ただ単に文字や記号が並んだだけの無機物な画面。
でも、その文字の1つ1つに確かに送り手の「心」の存在が見えて、私たちはそんな無機物な文字に泣いたり笑ったりするのでしょう。

最近では、別れ話もメールで済ませたり、「ごめん。さよなら」の一言をメールに残して去ってしまう人も多いようです。
手軽にメッセージを送れるようになった分、人の心は薄情になってしまったのでしょうか。

でも、そうして残っていくからこそ、そのメールは思い出ともなり、乗り越えるべき壁ともなり…様々な形で失恋してしまったあなたを応援するものともなるのではないでしょうか。
次第に薄くなってしまう記憶の中にある思い出とは違い、常にそこにあり続けるからこそ、それをあえてハードルにするのも一つ前進するための手段にできるのではないでしょうか。

様々な思い出とともに存在し続ける、あなたの失恋メール。
それは、失恋の痛みを乗り越えたとき、一つ「過去」となり、いつかはあなたの手で消される日もくるでしょう。

けれど、それは確かにそこにあり、そこには心を映す言葉が確かに存在していたのです。
これからあなたが受け取るであろうメールも同じ。
どうか、今失恋で悲しんでいるあなたが、少しずつでも「失恋メール」を「思い出」にできるよう、願うばかりです。